冬瓜の栄養とその知られざる効能効果の研究成果!
夏に収穫されるので夏野菜とされる冬瓜。
「冬瓜」と書くので冬の食べ物と思われるかもしれませんね。
夏に取れた冬瓜はかぼちゃと同じように冬まで保存できることから「冬瓜」と言われているようです。
でも「冬瓜はとても大きいので食べきれない」などと言われ、なかなか食卓に登らない食材でもあります。
そんなちょっと不遇な冬瓜ですが、その気になる栄養と効能効果を調べてみたところ、驚きの結果となりました。
冬瓜の栄養
冬瓜は通常煮物にして食べます。1食で食べられる冬瓜は50g程度。
煮た時の冬瓜の栄養を充足率のランキングを挙げてみました。
ここでいう充足率とは、30歳未満の成人女性が1日に必要とする栄養素のうち、どの程度を満たしているのかを%で表したものです。
1位 ビタミンC (14%)
2位 葉酸 (5%)
3位 食物繊維 (4%)
4位 カリウム (4%)
5位 パントテン酸 (2%)
6位 カリウム (2%)
7位 カルシウム (2%)
8位 ナイアシン (2%)
冬瓜はもともと水分がおおく、95%以上です。
煮物にしてもそれほど量を食べられる食材でもないので、1食あたりから取れる栄養は他の食材と比べるとそれほど沢山の栄養が取れる訳では無さそうです。
それでは、食べる価値がないのか!?と思われるかもしれませんが、冬瓜には知られざるパワーが秘められていたようです。
冬瓜の一般的な効果
冬瓜は水分が多く、食物繊維も含むことから、カロリーが低く(1食あたり8kcal)
またカリウムなどのミネラル、ビタミンCを含むので、「ダイエット」や「むくみ防止」が紹介されています。
確かに、食べごたえの割にカロリーが少ないので、ダイエットになるかもしれませんが
必ず、他の食材で必要なビタミンやミネラルを補給する必要がありそうですね。
冬瓜の知られざる効果
実は、冬瓜はインドや中国でも古くから広く親しまれてきた食材です。
特に、インドのアーユルヴェーダでは、様々な効果が言い伝えられているそうです。
その言い伝えが本当かどうかを科学的に実証しようとしている論文が沢山ありました。
その中でも特に信ぴょう性が高いものをご紹介します。
うつ病に対する効果
冬瓜と甘草を合わせた飲み物がインドのアーユルヴェーダではうつ病に有効とされてきました。
実際にうつ病の患者さんに1ヶ月間、冬瓜と甘草を合わせた飲み物を飲んでもらったところ、
うつ病の症状の改善が見られました。
Ayu. 2011Apr-Jun;32(2):230-233
Clinical evaluation of Kushmanda Ghrita in the management of depressive illness
その他、別の論文ではマウスを使った実験でも冬瓜のエキスに効果が確認されていました。
J Pharmacol Pharmacother. 2012 Jan-Mar; 3(1): 60-63
Antidepressant-like activity of Benincasa hispida fruits in mice: Possible involvement of monoaminergic and GABAergic systems
なかなかうつ病に対する安全な治療法が今も研究されているなか、
昔ながらの食材である「冬瓜」にその治療効果があるとしたら!?
もしかしたら夏バテに良いと言われてきたのも、実は栄養素の働きではなく
冬瓜の心の状態に働きかける力のおかげだったのかも知れません。
その他の効果
その他、冬瓜には様々な効果の伝承があるようで、次に挙げる効果は動物実験で確認されていました。
- 胃潰瘍に対する効果
- 高血圧に対する効果
- (種の油による)前立腺肥大に対する効果
特に、胃潰瘍に関する研究は多く、日本ではほとんど知られていない意外な結果でした。
まとめ
冬瓜は低カロリーでダイエット食材と言えますが、夏バテの栄養補給には向いていないかも知れません。
しかし、その効果効能は侮ってはいけません。
日本ではあまり知られていませんが、インドや中国での食経験から多くの伝承があり、
現代病とも言われるうつ病にも効果があるかも知れない貴重な食材です。
今後の研究に期待したいですね。
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