タウリン配合のドリンクは医薬品?食品?効果効能は?
ドリンクのCMなどでよく聞く「タウリン」。
そもそも「タウリン配合」を謳っているドリンクは医薬品です。
それが何故かご存知ですか?
そして、その科学的な効能、効果をご紹介します。
タウリン配合のドリンク
皆さんご存知のこの商品。
このCMがタウリンの名前を広めたと言っても過言ではないでしょう。
その他、タウリン配合のドリンク剤は多くあります。
一時、タウリンの配合量が、1000mg、2000mg、3000mgと競争になったことがあります。
これらのドリンクは全て、医薬部外品に相当する「医薬品」です。
同じようなビン入りのドリンクでも、医薬品として承認を受けたものでなければ、「食品」扱いとなり、
「清涼飲料水」と表示しなければなりません。
そして、現状の日本の法律で「タウリン」は食品添加物として認められていません。
(欧米では食品添加物として認められています)
それゆえ、タウリンは医薬品の原料として取り扱われますので、
タウリン配合のドリンクは必ず医薬品(医薬部外品)となるのです。
食品由来のタウリン
しかし、タウリンは普段私たちが食べている食材からも多く摂取している成分です。
食材100gあたりのタウリンの量は次の通りです。
1位 真ダコ 900~1670mg
2位 サザエ 1500mg
3位 ホタテ 670~1000mg
4位 牡蠣 70~1180mg
5位 ヤリイカ 700mg
このように魚介類に多く含む成分です。
なので、この様な食品素材からタウリンを抽出してきた場合には、食品素材となります。
化学合成で作ったタウリンは、医薬品原料となって医薬品ドリンクにしか使えませんが、
食品から抽出、精製して作られたタウリンは食品(清涼飲料水)にも使えます。
しかし、抽出してきたタウリンはもの凄く高価です。
合成で作らた医薬品原料のタウリンが、千円前後/kgくらいのものだとすると、
抽出された食品原料のタウリンは、数万円/kgくらいはしますので、数十倍は高価です。
食品原料の場合は、医薬品のように1000mg!なんて配合は出来ないのです。
タウリンの効能・効果
肝機能
昔から、タウリンは肝機能改善の効果が知られてきました。
それは、逆に言えばタウリンの体内での働きがよく分かっていなくて、
胆汁に多く含まれていて、胆汁の役割の一つである解毒作用、
つまり、体内で害のある物質をタウリンとくっつけて体外に排出しようとしていると考えられてきました。
事実、タウリンを摂取すると、肝臓の機能が改善することも明らかになっています。
しかし、それは最近の研究では単純な解毒作用ではなく、
タウリンは肝臓での抗酸化作用を発揮しているからだと考えられています。
また、肝硬変などの肝疾患になると「こむら返り」がよく起こるそうですが、
タウリンを摂取することで「こむら返り」を低減することも報告されています。
心疾患予防・改善
タウリンは肝臓についで心臓にも多く存在していることから
心臓、特に心筋とタウリンの関係は古くから研究されています。
実際に、16カ国24地域の疫学調査によると、
タウリンを多く摂取している人ほど心筋梗塞などの心疾患の発生率が低くなっていました。
心筋の細胞を保護する作用があると考えられており、
心不全治療薬としても利用されています。
まとめ
タウリンは化学構造がとても単純なので簡単に合成できます。
食品にも多く含まれる成分でもある事から
副作用の危険性は極めて低いものです。
肝機能や心疾患予防などの効能とドリンクを飲んで元気になるイメージは直結しませんが、
肝臓や心臓に不安のある人には心強い味方ですね。
タウリンの効果を試したい場合は、医薬品ドリンクの中からお探し下さいね。
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