日本サプリメント「トクホ(特保)取り消し」豆鼓エキスとペプチドエース。悪いのは企業だけ?

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健康食品業界として、あってはならない残念なことがありました。

日本サプリメント㈱の特定保健用食品(トクホ)が取り消しになりました。

ニュースでも取り上げられ、大変な騒ぎになっています。

いろいろな報道記事がありましたが、

日本サプリメントがまるでブラック企業のように扱われています。

本当にそうなのでしょうか?

健康食品の開発する立場から見ると、

現在のトクホ制度と現実のはざまで、もがき苦しむ企業の一面がうかがえます。

 

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特定保健用食品とは

特定保健用食品は、現消費者庁(旧厚生労働省)が効果を認可した食品です。

その認可を受けるためには、有効性を立証するデータを提出しなければなりません。

もちろんそのデータはヒトを使った実験(臨床実験)です。

提出が必要なデータは有効性だけでなく、

安全性有効成分の特定

有効成分がどのように働くかのメカニズムも証明して提出しなければなりません。

それらには多くの時間と手間がかかります。

なので、食品としては莫大な研究開発費用(数億円)がかかります。

 

日本サプリメントのトクホが取り消しになった理由

今回、日本サプリメントがトクホの取り消しになった商品は次の6商品です。

<ペプチドエース・シリーズ>

ペプチドエースつぶタイプ、ペプチド茶、ペプチドストレート、ペプチドスープEX

<豆鼓エキス>

豆鼓エキスつぶタイプ、食前茶

これらが取り消しになった理由として、

「有効成分が含まれていなかった」と報じられています。

この表現だけを見ると、「消費者を欺いて、ヒドイ!」って思いますよね。

自分も最初はそう思いました。

しかし、会社のコメントや報道記事をよく読むと、同情の余地があります。

 

特定保健用食品の品質管理

特定保健用食品を製造する場合には、

申請時に提出した有効成分の分析方法に従って、

製造する度に、有効成分が製品に入っているかどうかを必ず確かめます

日本サプリメントでも、おそらく製造毎に分析は実施されていたと思われます。

なのに、なぜ?有効成分が入っていない事態が発生したのでしょう?

 

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天然物の有効成分の特定の難しさ

日本サプリメントは分析を行っていたにも関わらず、

製品に有効成分が入っていないという事態がなぜ発生したのか?

そこには、食品の有効成分の特定の難しさがあります。

そもそも、食品に含まれる有効成分は医薬品と違って自然が作り出すものです。

なので、有効成分が1種類とは限らないことがほとんどです。

似たような成分が色々複雑に入り混じって含まれているのです。

ペプチドエースの場合、申請時に登録した分析方法ではなくて、

より細かく成分を分析できる最新の方法で分析し直したところ、

不純物も含まれている事が分かったのです。

それゆえ、日本サプリメントが有効成分として指定した、

LKPNM(アミノ酸5種が結合したもの)は、規定値の5ミリグラムを下回っていたのです。

しかし、その不純物は上記の有効成分と似たような性質のため、

血圧を抑える効果は同じく持っていたのだと思われます。

日本サプリメントも、製品としての有効性は確認できていると主張はしたようです。

しかし、特定保健用食品は厳重なルールに従って管理されているため

「申請書の記載内容が事実と異なる」という理由でトクホの取り消しが行われたようです。

 

そして、豆鼓エキスも同じように、分析し直してみると、

当初、有効成分だと思われた成分が異なる構造だったことが判明し、

「有効成分が入っていない」と報じられてますが、

正しくは、「有効成分が別にあることが分かった」だと思います。

 

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特定保健用食品制度の問題点

現在の特定保健用食品制度は旧厚生労働省が作ったものです。

もともと厚生労働省は医薬品を管轄していたので、制度が医薬品の考え方に近いものがあります。

「分析可能な有効成分が、製品に規定量含むこと」

この考え方は医薬品の品質管理の考え方そのままです。

しかし、食品の場合、色んな成分が含まれるからこそ有効な場合がほとんどなのです。

食品のことを研究している人なら誰でも経験することなのですが、

食品に含まれる成分がたくさん混ざっている方が、1種類の純粋な成分より有効性が高いことが多いのです。

自然は偉大なもので、相乗作用する成分が食品には含まれているのです。

医薬品のように特定の成分だけで効果を管理する考え方は、食品には合致しないのです。

しかし、そのような複雑な食品の有効成分を科学的に管理する方法はまだ見つかっていないので

仕方なく、医薬品の考え方を流用せざるを得ないのが現実です。

 

まとめ

今回の日本サプリメントのトクホ取り消しは、消費者の信用を失うことになったことは事実です。

その様な事態は今後もあってはならないことです。

しかし、そこには食品の有効性を管理する技術的な困難が原因の一つであったことも

知っておく必要があります。

現在、機能性表示食品という新たな制度が取り入れられています。

ここでも、食品の有効性をどう管理するか?今でも議論は続いているのです。

 

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