冷凍食品のメンチカツで食中毒!?原因と予防法
イトーヨーカドーで販売されていた冷凍食品のメンチカツで食中毒が発生。
ニュースで見た時は、目を疑いました。
生で食べる食品での食中毒なら分かるのですが、揚げて食べるメンチカツで食中毒なんて。。。
でも、よく調べてみると正しい調理法で食べていたら防げていたかも知れないのです。
日本の食品衛生事情は世界でも優れていると思いますが、
肝心の家庭での調理法が間違っていては、食中毒はなくなりません。
今回の食中毒の原因と対策を考えてみましょう。
目次
食中毒の発生経路
イトーヨーカドーで販売されていた冷凍メンチカツを家庭で揚げて食べた人から食中毒が発生。
「肉の石川」(神奈川県平塚市)や「米久」(静岡県沼津市)などが
食品加工会社「タケフーズ」(同)に製造を委託したメンチカツから
腸管出血性大腸菌O157が検出されました。
食中毒の原因
今回の食中毒の原因菌は腸管出血性大腸菌「O-157」でした。
この菌は牛や豚などの家畜の腸の中にいる菌です。
人の腸にはいない種類の大腸菌で、誤って人の口に入ってしまうと、
激しい下痢や嘔吐、腸管からの出血など重症化してしまうことがあります。
畜肉の加工の際に食肉に付着していることがありますが、
「O-157」は熱に弱い菌なので、75℃で1分間の加熱で死滅してしまいます。
通常、食肉は加熱して食べるので、菌が付着していても食中毒にはなりません。
それでは、なぜ今回はメンチカツで食中毒が発生してしまったのでしょうか?
原因① 家庭で揚げて食べる「半製品」だった
今回のメンチカツは冷凍食品と並んで販売されている商品ですが、
厳密には冷凍食品ではありません。
冷凍食品は完全に調理が済んでいて、家庭では解凍だけする食品です。
家庭で揚げて食べるメンチカツは、調理する必要があるので一般の食材に分類されます。
冷凍食品には厳しい管理基準があり、細菌数も管理されていますが、
家庭で調理する「半製品」の食品にはそのような基準はありません。
加熱して食べるのだから、厳しく管理しなくても安全なハズでした。
原因② 家庭での調理不足
冷凍のメンチカツやコロッケは家庭でもおなじみの揚げ物料理です。
冷凍状態から解凍して揚げると、中身が飛び出したりすることがあります。
そして、なにより面倒なので解凍せずに揚げ油の中に入れて揚げられています。
この時に注意しなければいけないのは、油の温度。
高すぎると、揚げ物の表面は色がついて、一見揚がっているように見えるのですが、
揚げ物の中心にまで熱がかかっていない「加熱不足」が発生してしまうのです。
恐らく、このような加熱不足の調理が原因で揚げたメンチカツから「O-157」が検出されたと思われます。
正しい冷凍食品(半製品)の揚げ方
このような、加熱不足を引き起こさない為にも揚げ物をする時には
油の温度に注意を払ってください。
何より揚げ物を上手に作るコツでもあります。
最適な温度は170℃
美味しく、そして安全に揚げ物を作る時の油の温度は170℃です。
とは言え、170℃を正しく測れる温度計など家庭にはありません。
そこで目安にするのが
「お箸を揚げ油に入れた時にフワフワと泡が出る」ことです。
冷凍食品(半製品)は解凍してから
冷凍されたカツやコロッケを揚げる際には、必ず解凍してから揚げましょう。
解凍してから揚げると加熱不足を招きにくくなります。
そして、油の温度さえ170℃(お箸からフワフワの泡)にしておけば
衣が破裂することもなく、上手に挙げられます。
まとめ
どんな食品でも、絶対に安心というものはありません。
正しい調理を行わなければ、安全なものも危険にしてしまうからです。
正しい知識と正しい調理で美味しく、楽しく食品を摂りましょう!
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