「じゃがいも」の食中毒が学校で?原因と対処法
食中毒のニュースには耳を疑うものが多いですが、
なんと「じゃがいも」による食中毒が1989年以来、
ほぼ毎年発生しているそうです。
しかも、その9割は学校で発生しているとのこと。
驚きです!
じゃがいもに毒素があることは知っている人は多くても、
実際に「どうしたら中毒になるのか?」までは知らなかったりします。
あなたは、じゃがいもの毒についてどのくらい知っていますか?
目次
実際にあったじゃがいも食中毒
2013年6月11日、大阪府内の小学校で、調理実習においてジャガイモを食べた24名のうち4名に腹痛、下痢、吐き気等の症状が出た。
2009~2013年のじゃがいもの食中毒の発生件数は次の通りです。
年 |
発生件数(件) | 摂食者総数(人) | 患者総数(人) |
2013 |
3 | 38 |
9 |
2012 |
3 | 62 |
28 |
2011 |
1 | 47 |
5 |
2010 |
3 | 82 |
42 |
2009 | 1 | 56 |
35 |
(出典:食中毒統計(厚生労働省))
これほどの食中毒が発生してしまう原因には、
じゃがいもの栽培と調理する時の知識不足が原因です。
学校で知識不足が原因で食中毒が発生するなんて。。
でも、それが現実なんです。
じゃがいもによる食中毒の症状と処置
じゃがいもに含まれる毒素は「ソラニン」や「チャコニン」というグルコアルカロイド類です。
体重が50 kgの大人の場合、「ソラニン・チャコニン」を50 mg(0.05 g)摂取すると
吐き気やおう吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出る可能性があります。
症状は早い時には数分後から出始め、遅い場合は数日後に出ることもあります。
また、150 mg~300 mg(0.15 g~0.3 g)摂取すると死ぬ可能性があります。
もし、症状が現れたら、すぐに病院へ行きましょう。
病院では、胃に残っていれば胃洗浄を行い、輸液による水分等の補給で症状の回復をみます。
注意が必要なじゃがいも
じゃがいもの芽に毒素があることは習ってしっている人は多いです。
しかし、芽だけに注意しただけでは不十分なんです!
芽の生えたじゃがいも以外にも気をつけないといけないものがあります。
①緑色のじゃがいも
日光に当たって緑色になるじゃがいもがあります。
理科の教科書やテストにも出てくるので、
学校の菜園ではわざと日光に当てたものを作っているのかも知れませんが、
緑色になったじゃがいもには「ソラニン・チャコニン」が多く含まれてしまいます。
②小粒のじゃがいも
「ソラニン・チャコニン」は通常のじゃがいもでも少量含まれています。
そして、その多くは皮の部分に多く含まれています。
小粒のじゃがいもは表面積が大きく、皮をむくのが面倒なので
皮のまま調理されたりすることがありますが、危険です。
③傷のあるじゃがいも
じゃがいもは自らの身を守るために毒素を持つようになったと考えられています。
傷がついたじゃがいもは「ソラニン・チャコニン」を作るようになります。
正しい栽培、正しい調理
じゃがいもは育てる途中で、寄せ土をきちんと行い、
いもに日光が当たって緑色になるのを防がなければなりません。
そして、調理の際に
芽が生えてきてしまっていたり、緑がかっているじゃがいもは
その周りも部分も含めて多めに切り取りましょう。
そして、どんなじゃがいもも皮を剥いて調理しましょう。
ちなみに、「ソラニン・チャコニン」は茹でても減ることはありません。
熱に強く、水にも溶けだしにくいのです。
まとめ
芽のあるじゃがいもの他に①緑色のじゃがいも、
②小粒のじゃがいも、③傷のあるじゃがいもには要注意!
そして、芽や緑色の部分をしっかりとって、しっかり皮をむけば、
じゃがいもは安全です。
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